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肝が小さい肝が小さいたま

一つ目入道、黒塚の鬼婆、 見沼の竜神。さいたま市に伝わる恐ろしい妖怪の伝説をご紹介します。

身の毛もよだつ伝説。

さいたま市には、さいたま市ができる遥か昔から伝承されている恐ろしい妖怪の伝説が存在します。一つ目入道、黒塚の鬼婆、見沼の竜神。これらの妖怪はどんな恐ろしい妖怪なのでしょうか?コミカルな4コマ漫画とともに、伝説の内容をご紹介いたします。
一つ目入道
塩二俵と馬を呑み込み、馬をひいていた人をも呑もうとした妖怪です。

【伝説のあらすじ】
ある馬子(馬をひく職業の人)が与野に向かっていた。馬に塩荷をつけて道をゆく。と、諏訪坂を進んでいたところで、一つ目入道が現れたではないか。一つ目入道は塩二俵と馬をペロリと呑み込み、さらに馬子も呑もうと追いかけてきたからさあ大変。しかし馬子には頭脳があった。うまいこと一つ目入道をおびき寄せ、釡ゆでにしたのだった。腹を割くと、塩二俵と馬が元気に飛び出してきたそうな。
黒塚の鬼婆
女性を家に誘いこみ、殺して血を吸い肉も食べたという妖怪です。

【伝説のあらすじ】
大宮の森にとても恐ろしい鬼婆が棲んでいた。森にやってきた女を誘っては家に連れ込み、殺し、血を吸って肉を食っていたのだ。このまま野放しにしてはいけない。そうして旅の僧・東光坊阿闍梨祐慶は、森へと出向き、法力によって鬼婆を石に変えた。その石を埋めて塚としたのが黒塚である。そして、祐慶の庵室が後に東光寺となったという話だ。
見沼の竜神
干拓工事されることになった沼に棲み、工事を実行する井沢弥惣兵衛の目の前に美女として現れ、やがて彼とその周辺に災いをもたらした妖怪です。

【伝説のあらすじ】
井沢弥惣兵衛は天沼(大宮)に泊まり、見沼を干拓する準備を進めていた。そんなある夜、美女が弥惣兵衛のもとを訪ねてこう言い放つ。「私は見沼の竜神です。このままだと棲むところがなくなってしまうので、99日間だけ、作業を止めてくれないでしょうか。その間に新しいすみかを見つけます」。しかし作業の手が止まることなく、弥惣兵衛は病に倒れた。そこに再び美女が現れる。「病気を癒してあげましょう。ただし先日の私の願いを聞き入れてください」。そう言い、みるみる弥惣兵衛の体調はよくなっていった。
ある夜、家来がふと弥惣兵衛の寝床をのぞくと、蛇女が赤い炎の吐きながら弥惣兵衛の体を舐めまわしているのが見えた。その話を聞いた弥惣兵衛は恐ろしくなり、詰所を片柳の万年寺に移した。それからしばらくは何もなかったが、ある日、村人の葬列が山門を通ろうとすると、突然暴風雨が起こり、棺桶が宙に舞ってさらわれてしまった。それ以後、葬列は山門を通らないようになり、その門は 「開かずの門」と呼ばれるようになった。
以上が4コマと伝説のあらすじでした。
ちなみに、「開かずの門」は緑区の国昌寺にあり、東浦和駅前ロータリーには「見沼の竜神」の石像があります。ぜひお立ち寄りの際は見てみてくださいね。
お越しくださいたま
さいたま市の妖怪
さいたま市の妖怪
塩二俵と馬を呑み込み、馬をひいていた人をも呑もうとした「一つ目入道」。女を殺して血を吸い肉を食ったという「黒塚の鬼婆」。干拓工事されることになった沼に棲み、工事を実行する井沢弥惣兵衛とその周辺に災いをもたらした「見沼の竜神」。さいたま市には、 恐ろしい妖怪の伝説が言い伝えられている。