埼玉県立文書館において、 重要文化財指定記念特別展「近代をひらく鉄道 記録が伝える近代-埼玉県行政文書という世界-」が開催されています。
埼玉県立文書館では、「埼玉県行政文書」11,259点が学術上価値の高い歴史資料として、国の重要文化財に指定されたことを記念した特別展を開催しています。
埼玉県行政文書は、明治初年から昭和22年(1947)までの県の行政文書(公文書)です。地域社会が近代化する過程を具体的に伝える、近代史及び地方行政史の研究上重要な資料として評価されました。
特別展では、この特徴を、①中学校で学ぶ著名な歴史的事件と、②地域の近代化を牽引した鉄道、の2つを切り口として紹介します。あわせて、実際にこれらの文書が中学校で活用されている成果紹介として、埼玉大学附属中学校2年生の皆さんの研究報告も展示します。
左上から順に【文書館外観、展示室の様子、昭和13年の大宮駅前広場計画図、昭和17年の大宮工場立入承認証、日本鉄道第2区線(現在の宇都宮線)栗橋近傍平面図(明治18年)】
■会期:
10月24日(土)~12月6日(日) 9時~17時
※休館日 毎週月曜日、国民の祝日
■展示場所:埼玉県立文書館1階展示室(さいたま市浦和区高砂4-3-18)
■アクセス:JR浦和駅徒歩12分/JR中浦和駅徒歩15分
■観覧料:無料
●重要文化財指定の意義
これまで重要文化財の近代歴史資料部門では、坂本龍馬、岩倉具視、大久保利通などの関係資料が指定されています。今回の埼玉県行政文書の指定は、行政執行上の必要から作成される県庁の記録もこれらの資料と同様に、日本の近代史にとって重要かつ不可欠な存在であることを示すものといえます。
特別展は大きく2つの構成に分かれています。
1 日本近代史のなかの行政文書
秩父事件、国会開設、日清・日露戦争、足尾鉱毒事件、関東大震災など、中学校で学ぶ誰もが知っている歴史的事件を取り上げ、その地域的展開や県民生活への影響などを伝える行政文書を紹介します。
2 鉄道が示す行政文書の拡がり
行政文書は社会の様々な分野にわたる拡がりをもっており、行政分野別の「部」に分類整理されて体系立てられています。地域社会の様々な分野に影響をもたらした「鉄道」をキーワードにして、行政文書の分類と拡がりをお伝えします。
●さいたま市関係展示資料
1 鉄道省大宮工場への立入承認証 昭和17年
2 大砂土村神明社への日露戦役凱旋記念碑建設の願書 明治39年
3 浦和宿地内中山道付替計画図 明治14年
4 大宮宿停車場道路用地の献納願書 明治15年
5 大宮宿ほか3か宿停車場道路用地献納願付図 明治16年(写真パネル)
6 大宮東口駅前広場計画図 昭和13年
7 大宮西口駅前広場及び街路計画図 昭和13年
8 大宮駅周辺航空写真 平成3年
9 大宮停車場拡張により移転する稲荷社の現況図 明治27年
10 北足立郡神社明細帳(大宮町村社稲荷社部分) 大正2年
11 日本鉄道株式会社への褒賞禀申 明治33年
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