40年の歴史を伝えます。大宮薪能ポスター展を開催中。

毎年5月に武蔵一宮氷川神社境内で開催している「大宮薪能」は、東北・上越新幹線の開業を記念して昭和57年に第1回が行われ、本年で記念の40回目を迎えます。今回は無観客で実施し、その模様を収録してオンラインで配信します。

配信に先がけ、JR大宮駅東西連絡通路内にて大宮薪能ポスター展を開催しています。

40回分のポスターを、今回は2回に分けて展示させていただいております。

5月31日(月)から6月3日(木)まで、第1回から第20回までのポスターを展示しました。続いて本日6月4日(金)〜6月7日(月)まで、第21回から第40回までのポスターを展示しています。

※最終日の7日は午後4時頃まで展示予定です。

思い出とともにいくつか過去のポスターをご紹介します。

こちらは記念すべき第1回のポスターです。氷川神社の神池と楼門を背景に、白を基調とした美しいデザインですよね。

 

第20回のポスターです。作り物の鐘が舞台に吊るされ大掛かりな仕掛けが特徴の「道成寺」がメインビジュアルに。この年に観世流と金春流それぞれの流派で演能されました。ポスターにも秘曲”道成寺”の文字が入っていますが、40年の歴史がある大宮薪能でも演能されたのはこの1度だけです。

 

第30回のポスターです。「鞍馬天狗」は子方の出演があるのですが、この時は一般募集をして、さいたま市民の7人のお子さんにご参加いただきました。能の基本動作であるすり足など、事前に演者の先生のご指導を受けて練習を重ね、本番ではたくさんのお客さまの前で演じられました。子どもたちにとって貴重な体験となったことでしょう。この年は東日本大震災の影響もあり、会場が市民会館おおみやでの開催となりました。

 

第32回のポスターです。「土蜘」は大宮薪能でも人気の演目です。クモの糸が放たれると会場のお客さまから思わず歓声があがりました。初心者の方でも楽しめる演目ですよ。大宮薪能ではこれまで4回演能されています。

上品で華やかなポスター、月や能舞台の入った風情あるポスター、演能の迫力が伝わってくるポスターなど、その年の大宮薪能の演目に合わせてデザイン・作成されてきました。大宮薪能の魅力とその歴史を感じとっていただけるかと思います。

さて、今回はJR大宮駅様のご協力をいただき、東北・上越新幹線開業当時の大宮駅の様子の写真も展示しています。既にご覧になった方からとても懐かしいというお声もいただきました。貴重なお写真をぜひご覧ください。

先日、無観客での大宮薪能を実施しその収録を終えました。今回は武蔵一宮氷川神社楼門内の舞殿にて演能され、これまでとはまた違った厳かな雰囲気で、幻想的な世界が作り出されました。

【オンライン配信のご案内】

■テレビ埼玉特別番組
放送日:令和3年6月12日(土) 19:00〜20:30

■YouTube配信
配信期間:令和3年6月13日(日)〜令和3年9月12日(日)
(公社)さいたま観光国際協会YouTubeチャンネル
テレ玉YouTubeチャンネル

■演目等
・素謡(金春流)「翁」 金春 憲和
・能(金春流)「羽衣」 本田 光洋

「羽衣」は、大宮薪能では演能回数が最多の演目で、美しい装束と優雅な舞が見どころです。今回、蝶々の模様の装束は幕末のもので、能面は四百年前のものらしいですよ!ぜひオンライン配信でご鑑能ください。

※「第40回記念大宮薪能」について詳しくはこちら